冒険王ビィト 11巻

冒険王ビィト (11) (ジャンプ・コミックス)

冒険王ビィト (11) (ジャンプ・コミックス)


ガロニュート、実に三流でしたね(笑)。私の受けた印象ですが、閣下も含めて七ツ星の強さは、

ノア>ベルトーゼ>バロン>>ロディーナ>グリニデ閣下>ヒスタリオ>ガロニュート

といったところなのではないでしょうか。もしかすると、ノアは現状のベルトーゼよりも強いような気がします。私の予測というか願望なのですが、ゼノンと戦う前のベルトーゼが一度挑んで、敗北したのにもかかわらず、ノアが命を奪わなかったというエピソードがあると面白いなーと。その時点ではベルトーゼより強いにもかかわらず、彼は戦わない。ベルトーゼがノアに興味を持つには十分なきっかけだと思いますが(笑)。
 ベルトーゼ、ノア、バロンはほとんど微妙な力の差です。ただ、ロディーナは本人の力が強いとかそういった戦闘力ではなく、特殊な力を使いこなす(現状、印をつけて転移)タイプなので、その力を用いた必勝パターンに持ち込めばかなり強いのではという評価です。後、ベルトーゼvsゼノン戦士団の戦いに水を差したのが彼女だという可能性も微々たるものですが、ありますから狙いが読めない以上、ちょっと未知数だと思いましてこの位置においています。まあ、あの戦いに水を差したのはシャギーだとは思うのですけどね。グリニデ閣下は、ビィト最萌キャラなのですが(笑)、あくまで力押しの方なので、ロディーナの下においています。ヒスタリオは、あまりの弱さに涙しそうになったのですが(笑)、不死身の肉体を評価してガロニュートの上においています。ガロニュートは、語るまでもないでしょう(笑)。

今回の主役は間違いなく、天空王バロンでしょう。キッスとの因縁もありますし、他の魔人とはケタが違う「別格」の存在。グリニデ閣下ですら、一目置くほどの男。とりあえず、バロンの強さ自体ですが、ビィトが全ての才牙を駆使しても歯が立たなかった辺りをみるに、相当なものであることが伺えます。
状況的にはスレッドと出会った街で、ベルトーゼと戦ったときに才牙を駆使した時と似てますが、ビィト自身、あの時よりさらに深く各々の才牙を使いこなせるようになっています。そのビィトが、どの才牙を使ってもバロンに有利になる戦いができなかったことを、周囲に散乱した才牙が物語っているわけで…。まあ、続きは気になって仕方なかったので、月間ジャンプを立ち読みして知っているのですが、魔人博士ノアが漏らしたように、あまりにも多様な魔人とはいったいどんな存在なのか、非常に気になってきます。

現状、キッスの離脱とポアラの才牙覚醒などいろいろとイベントが控えています。ポアラの才牙については、その形状などは飛び道具っぽい感じかと想像していますが、キッスがどうやって戻ってくるのか、そのパーティーに戻ってくるくだりをどう表現するのか興味深いですね。バロンの存在は、キッスがグリニデ閣下の軍門に下るきっかけとなり、人間の醜さとそれを高潔な魔人に救われたアンビヴァレンツをもたらしたわけですから。その精神的な失調を回復し、ビィトにどう謝るのか(私の考えでは、ビィトは憤慨しているでしょうが、キッスを信じていると思います)、まるで想像がつきません。ダイの大冒険で、ポップがマトリフに師事し、成長を遂げたように、存在だけが示唆されているスレッドの師匠に師事するとか、翼の騎士から助言をもらうとか、ポアラに先んじて才牙に覚醒して(自分自身で内面の問題を解決し)、劇的な場面でビィトを助けるとか。あー、まるでまとまりません(笑)。キッス自体、ほぼ完成した能力を持っているので、彼が鍛えるべきは精神面の脆さなので、それを解消できればかなり強力な存在になると思うのですが…。

今回、帯に「真・王道冒険譚」と書かれているのですが、私としてはダイの大冒険こそが王道だと思っています。ビィトが嫌いってわけではなく、ね(笑)。まあ、現在日本で連載されている漫画のほとんどからすれば、ビィトはきわめて王道的なストーリーだとは思います。しかし、魔人と人間の関係や、その戦いの影にいるダークネス・アイズ。作られた魔物を用いたゲームのような闘争。それらと、シャギー館長の言動を見ていていて、常々考えていたことがあります。ちょっと不快な予想ではあるのですが、私は魔人というのは優れたバスター(強くなった人間)をなんらかの方法で生成して作られた、魔物ではないかと思っています。ダイの大冒険と異なり、土着のモンスターというものが存在せず、在野にいるモンスターですら魔賓館で作られた魔物だといういびつな世界である以上、魔人が人間と同じように自然発生した存在であるとは思えませんから。彼らが成長過程を経ないで、いきなり完成した姿で現れるというのも、そう予測した原因になっています。強殖装ガイバーという作品では、人間は宇宙人に品種改良の末に生み出された、獣化兵用の調整素体であると設定されています。そこまでではないでしょうが、もしかするとビィトにおける人間と魔人の関係もこれに近いのではないでしょうか?