[吉永さん家のガーゴイル 6巻] 

ああ…切ない…なんていうか、ガーゴイルは涙腺を刺激する話が多いのですが、今回の話はグッときました。私が和己や林吾の側よりは、六山先生の年代だからかもしれませんが、そちらに感情移入してしまって、かなり心に響きました。推理っぽい話仕立てというよりは、各人の心の整理と己と向かい合う時間、タイミングを計っているような、そんなストーリーでした。誰が犯人かということじゃなくて、失われた大切な人間を、誰が悪いのでもないかもしれないけれど、皆に責任があるかもしれないある人の喪失。今回はガーゴイルが言ったように、彼自身の戦闘能力は物語にあまり寄与していません。彼は自体の概要をつかんで、ただ、和己に知らせただけなのです。前回の祭りの時もそうですが、人間力を必要とされる時、ガーゴイルはあまりその力を振るうことができないわけですが、それに気づき和己や双葉と協力するという考えをえるという心の成長を見せたということを、キヨ姉さんがきっと喜んでいるはずです(笑)。私は桃が演劇部のみんなに真相を話すシーンで、劇を上演せずに終わるのかと思ったのですが、まさか、ああいう反応がでるとは(笑)。昔、「にーんげんって、いーいーなー」と呑気な歌がありましたが、まさしく、そう感じました。いやぁ…危うく病院で涙するところでした(笑)。

ところで、夜具先生の系譜は、何人あの世界に居られるのでしょうか(笑)。