トリニティ・ブラッド Canon 神学大全 (角川スニーカー文庫)
- 作者: 吉田直,角川スニーカー文庫編集部,THORES 柴本
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/04/28
- メディア: 文庫
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衛星軌道上の方舟(宇宙船)での最終決戦…!!
そんな私がのたうち回って、梶浦由紀さんのBGMが流れそうなシチュエーションが待っていたなんて(笑)!!
読みたかった…読みたかったですよ…私は…。
書きたいことがありすぎて、私としても咀嚼しきれていないのですが、
とりあえず教皇アレッサンドロについて、書きたいと思います。
アレッサンドロは兄と姉の傀儡として、その血を利用された教皇でした。
意志が弱く臆病な彼が、自分を馬鹿にせず接してくれるハヴェルや、
長生種のアンゼリカと触れ合うことによって、何をなすべきか…
それを自問自答して…ようやくROMⅥ「茨の宝冠」で答えがでた矢先に…。
物語の時間軸からすれば、更に4冊以上の物語を経たあとですが、命を落としてしまいます。
私は彼が自分の意志で、守りたい人たちのために、自身の権力を振るう瞬間を、
非常に楽しみにしていました。
「人は強くなければ生きていけない。だが、優しくなければ生きていく資格がない」
ベンジャミン・T・セレスト
アレッサンドロは強くはありませんでした。ですが、弱さの中に優しさを秘めていました。
その彼が、死んでいった人、勇気をくれた人、信じてくれる人のために、
何かをなそうとする瞬間というのは、まさしく教皇の名に相応しい荘厳さを持って、
私の胸を打ってくれるはずでした。
それが永久にありえることがない…ということが、あまりにもやるせないです。