ストライクウィッチーズ―スオムスいらん子中隊がんばる (角川スニーカー文庫)
- 作者: ヤマグチノボル,上田梯子,島田フミカネ,Projekt Kagonish
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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単純に面白かったです。
ストライクウィッチーズ本編とは、また毛色が違う感じですが、
それゆえに光る物語性があったりします。
501統合航空戦闘団が、世界最高峰のパイロットを集められているのに対して、
スオムスいらん子中隊は、その名の通りに、
各国で規律が守れなかったり、ストライカーを撃墜してしまったり、
行動がマイペース過ぎたり、操縦がへっぽこだったりなど、
様々な理由で左遷させられてしまったウィッチの集まりです。
そんな中、エースパイロットである穴吹智子少尉は、
自分の能力に適さない任地への着任と、
メンバーのやる気のなさに憤慨しているわけです。
彼女らがバカにされつつも、故郷での失敗や挫折から、
その心を奮い立たせることができずにいるわけですが、
ふとしたきっかけから、元々エースだった穴吹少尉は、
武勲を上げてしまうわけです。一人だけで。
それからは単独プレーで、チームメンバーを無視して戦うわけですが、
それでは通用しない局面が姿を現すわけです。
いらん子小隊の面々と、心が離れてしまった穴吹少尉。
それに関わらず現れる強大な敵には、
単独の一人では敵わないのです。
この後半、穴吹少尉が単独プレーでの戦いではなくて、
チームのみんなの力を束ねることの大切さを、
骨身に染みて理解して、いらんこ小隊の面々と力を合わせるシーンは、
実に上手いなーと思いました。
これまで、幾つか張られてきた伏線が、
この時、この瞬間に収束していくのが、読んでいて実に爽快でした。
今日のタイトルの言葉は、ずっと自分の撃墜数にだけ拘ってきた彼女の、
大きな…そして良い方向への変化を示しています。
あのシーンの笑顔は、くったくのない、良い表情でした。