ニューアベンジャーズ:ダークレイン (MARVEL)

ニューアベンジャーズ:ダークレイン (MARVEL)


9/10




先日刊行されたダークアベンジャーズ:アセンブルの時期、ニューアベンジャーズはなにをしていたか?
それがこのダークレインで語られています。
ホークアイのTV演説、それに対して反論するオズボーンで時間軸が分かるようになっています。
暗黒魔術の使用によって、ソーサラースプリームの座を失ったストレンジが、
その後継者たるドクター・ブードゥーに継承する話も入っています。
こちらは、なんか急にストーリーに収録されてる感じがあって、ちょっと浮いてますが。
ただ、巻末のブードゥーとストレンジについての詳細な辞典は、ためになりました。
これ、2000人近いヒーロー・ヴィランのページがあるみたいで、
ちょっと読んでみたくなりました(笑)。


今回のルーク・ケイジの行動に対して、非難する向きもあるようですが、
私としてはそういう気持ちにはなりません。
子供が誘拐されて命の危機にある。
その状況で出来るすべてを尽くしたのなら、親であるならば、
悪魔に縋ってでも、子供を取り返そうとするでしょう。
そんな中で、子供を確保し、奥さんも無事に取り返して、
恩があるからオズボーンは殴らなかった。
ものすごく、人間味溢れてると思うんですが。
ただ、これは、一定の年齢の人とそうでない人で、
評価が分かれる部分があるかなとは思います。


ケイジという人は、今回の行動で分かるように感情の人です。
今回のような行動に走ってしまう事もあるでしょうが、
功利ではなく、愛情からの行動だったから、
仲間達も彼を許してくれた。
傷ついたドクター・ストレンジを向い入れ、
彼ですら敵わなかった強大な敵との戦いも、
「友達だろう?」の一言で乗り込んでくれる。
奥さんとスパイディが同級生で、
奥さんが昔スパイディ好きだったことに嫉妬してる辺りも、
私は好きな描写なんですけどね。
今回、ケイジがこれをやっていたら許せなかっただろうな、
というのは、「子供を助けるために、仲間を売る」
ような選択肢もあったわけなので、それをしなかったのだから、
問題ないよね、と思っています。
仲間達もウルヴァリン以外は、誰も彼を責めなかった。
ならば言うべき事は無い。それが友情であるというのが私の感想です。