:「ゲシュプロテア戦記」(10話 (上) )

製作者   :philoさん
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長らくさえない敵役として出ていたドイルの来歴が語られます。
志望していた学問の道を諦め軍に入る辺り、
考古学を諦めて経済学部に入った私の過去を思い出すようで、なんとも色々と考えさせられる部分がありました。
当時金にならないし、就職できるかも怪しいと言われて諦めたんですよね。
いまなら説得できる自身がありますが、当時の若造ではとてもとても( ´・ω・`)。
ドイルの変遷が描かれているのですが、彼を見ると公ばかりで私がない人なんだなぁと感じました。
もしくは、私を殺して生きているというか。なんとももの悲しくなってきます。
でもこれ、現代日本社会にけっこういそうな感じの人なんじゃないかと。
ブラック企業でなくとも、いい会社に入って、それなりの地位に就いて、
家庭も持っているのに、つまらなそうに生きてる人をたまに見かけるので。
仕事が大切なものであり、日々の糧を得るために必要不可欠な経済活動であることも分かります。
実際、私もそうして働いているわけなので。
ただ、プライベート>仕事にしないといずれ破綻します。
GATEで趣味の合間に仕事をやるって言ってますが、そのくらいの気持ちでいいわけです。
で、伊丹が怠けてるかというと、同人誌読んでることもありますが仕事はきっちりやっています。
そのくらいの柔軟さがドイルにあれば……と思いますが事ここに至っては……。
なんともドイルに同情的になる展開なんですが、この人の去就を考えると相当難しいわけで、
彼が生き延びた場合、どう今後の人生を送るのか非常に気になります。


今回、個人的に面白いなぁと思ったのは、再登場した魔族のヴェンターがナヴィーユを評した下りです。
あれってロードス島戦記の外伝で、ダークエルフアスタールが人間を評したのと似てるんですよね。
アスタールの言葉というか内心の述懐は、ベルドを評してのものでしたが。
彼らダークエルフは基本的に人間より優れているので、人間を恐れることはない。
ただし、人間を侮りもしない。平均的に優れているダークエルフには突出した能力の英雄が、
ほとんど出現する事はないが、人間はまれに(長命のエルフからすれが頻繁に)英雄が現れる。
その英雄はダークエルフすら凌駕する能力を持っているので、決して人間を甘くは見ないという話で、
知者は似た橋を渡るんだなぁと思ったものです。


この10章は上と銘打たれているので上下巻っぽい構成になっているのだと思います。
特命戦隊の一番長い日になるのか、次回の更新を待ちたいと思います。