魔法少女プリティ☆ベル 5 (BLADE COMICS)

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8/10




話が進展してきたせいか、衝撃的な展開が目白押しです。
海魔族の話は、いい話風に終わりつつ、その後の民衆による特権階級の虐殺など、
非常に恐ろしい展開でした。
ひるがえって、南軍の首都ニューロでの首相エミリオの解く、
民主主義の説明は非常に納得しました。
この二つの話は、一見まったく関係無いように見えますが、
むしろ双子と言っていいほど、密接な関わり合いを持っています。
海魔族は、ルラが言ったように、嘘吐きが多く、
集団として脆弱な彼らは、積み上げる正直者の集団に敗北するわけです。
それが、現状の海魔の困窮を呼んでいるのですが、南軍の首都の教育は実に徹底しています。
議論を、「知恵を出し合い最善を探る協力作業」として、国民に浸透。
民主主義の文字通り、民が主人である政治体制として、
国民の意識改革や、教育の徹底による衆愚の回避などを行っているわけです。
前述した正直者というのは、昔話で騙される人が良い愚か者ではなくて、
正確な判断を下せる教育を受けた、コツコツやっていく事の意味を理解し、
それに邁進できる集団であると言ってもいいでしょう。
この下りが非常に面白かったです。
……もう、魔法少女とか関係無くなってきた(笑)。だが、それがいい


その反動ではありませんが、何事か裏で動いているようで、
ドゥール・ヴァリオンがシャルエル様や、桜を集めて対策を練っています。
ドゥール・ヴァリオンは具体的にどういった能力で、どのくらい強いのか、
戦闘してないので分かりませんが、周りの評価からすると相当なレベルだと思われます。
ただ、今回、シャルエル様のあの力を見ると、
最弱にして無敵の魔王とは、あんなものかと度肝を抜かれました。
対人とか、対集団とか、対軍とか、そんなレベルではなくて、
誇張無く一個の世界が戦力になるとか、どうしようもないですね。
どうやって勝てばいいのか、勝てるものなのかすら分からないです(笑)。
鈴木さんは巻末の通り、あとベルベリオンがどのくらい強いのか楽しみです。


しかし、最初の魔法少女・美雪ちゃんはどうしてしまったのか。
明らかにルラの外見なので、つまり、ルラは美雪ちゃんの肉体を奪ったのか、
それとも擬態とか、美雪ちゃんに力があって、複製体を作り上げて、
それに乗り移っているのか等々……。
疑問は尽きませんが……。


6巻を楽しみに待ちたいと思っています。