BLEACH Spirits Are Forever With You ? (JUMP J BOOKS) (JUMP j BOOKS)

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BLEACH Spirits Are Forever With You II (JUMP J BOOKS)

BLEACH Spirits Are Forever With You II (JUMP J BOOKS)



10/10




コミックスの小説化に、私はいいイメージを持っていません。
大概が、その番外編だけの為に作ったエピソードで、
既存の設定とかキャラクター性を膨らませようとかまったくしないで、
そのお話だけで完結させたり(大概しませんが)しているからです。
もしくは、流行っているお話で一発あげてやろうという根性が見え隠れして、
分かり易く言うと、「ああ、原作好きじゃないでしょうこの人」
とあっさり見抜いてしまうようなものが多いからです。
失礼ながら、成田先生ですら、それほど期待していませんでした。


ジャンプにチラチラと載った、小説の断片を読むまでは。
その時点でこれは面白いと思い、楽しみにしていましたが、
もう、いいよね、いいよね、言っていいよね(笑)。
コミックスの小説化はクソばかりだったが、


──ここに、例外が存在したッ!!!──


あー、すっきりした(笑)。
BLEACHの原作とアニメ、あと、映画見てるともう、
堪らないお話になっています。
アニメオリジナルとか、映画独自の設定やら、
もう、全部、一切合切拾って来て、
キャラクターが「狩能雅忘人だ」とか言い出すだけで、
その人拾ってくるのとか、そのエピソード拾ってくるのかッ!!
と絶叫したくなりました。


ご存じの通り、膨大な人数がいるBLEACHの登場人物を、
縦横無尽につかい切り、新しいキャラクター達も、
彼らに魅力を与え、生き生きと描き切っています。
散りばめられた伏線が、
ずらりと並んで一点に集束していく様は、
使い古された表現で恥ずかしい限りですが、
ページをめくる手がもどかしい程でした。


剣八の強さの秘密が、今回披露されており、
そこもわくわくする面白さでしたが、
事前に知らされていたとおり、これはドン観音寺が主役のストーリーでした。


私の好きなアラン・ムーアの言葉を引用します。

「俺たちは実は凄い力を持っているんだが、ソファに座ってビール片手にテレビを見ているだけだ。
 スーパーパワーがあったって、やっぱりソファに座ってビール片手にテレビを見てるだけだろう。
 馬鹿がコスチュームを着たところで、変な格好のおかしな奴が1人増えるだけだ。
 ヒーローってのはスーパーパワーがあるとか、コスチュームを着てるって事じゃない。
 自らの意思でもって世界を良くしようと戦う人々の事を言うんだ 」


これに照らし合わせると、ドン観音寺は霊を見ることができるだけの、
死神や虚、破面に比べるべくもない弱い存在です。
ですが、その彼の困っている人に手を差し伸べ続ける姿勢、
子供達に笑顔を与える姿は、ヒーローです。
紛れもなく、ヒーローであるとしかいいようがありません。
本編で、石田雨竜が呆れながらも感心しているように、
子供じみた人ではあるのですが、その貫かれた意志は、
熱すぎて涙腺ゆるみっぱなしでした。
BLEACHがお好きな人には、いいから読みなさいとしかいえません。
是非、成田先生にはまた、ノベライズを書いて欲しいです。
次は、前・中・後編の三冊でも、私は一向に構いませんから(笑)。


それから、千鶴をメインにした夜一さんと砕蜂が出てくる話も進めて頂けると、
もう、萌えあがります、特に私が(*´д`*)ハァハァ。