8/10


ティダート編の後始末と、拳聖の弟子達との戦いに向けての準備話が続きますが、
非常に愛着のあるキャラクター達だけあって、楽しんで読ませて貰いました。
ジェイハンは、YOMI一番手だけあってもうちょっと出番が欲しいと思わせる人物でしたが、
再登場に当たって味のある人柄になって帰ってきてくれて、
再登場が良かったと思わせてくれました(笑)。
この辺り、絶妙なバランスだったと思います。


件名の言葉に久々に感動しました。
兼一は押しに弱くて、基本的には温厚で争いを避けるタイプの人間です。
彼は、自分<他人の人なので、彼を慕う人間からすると危なっかしいのですが、
こないだ立ち読みした話でも、田中さんの言葉に対して、
愛する人達を奪われた人に対して、僕は説得する言葉を持たない」
と、自らの限界をきちんと把握している辺りが凄い好きです。
これは二重の意味で、彼らしい言葉で、
自分の経験してない事に対して上から説教はできないという自制と、
もし仮に自分がその立場になったら同じ事をしてしまうかもしれない。
美羽や親しい仲間、家族を失ったら彼と同じ行動にでるだろう。
その辺りの葛藤がないまぜになっていて、読んでいてうなりました。
まぁ、多分、田中が命を落とそうとしたら、無理にでも守ろうとするでしょうけど(笑)。
お節介焼きですが、自分の思想を相手に押しつけないで、
何かを押しつける場合は命がけで行動で見せるのが彼の長所でしょうか。
これほど長い連載なのに、主人公の行動理念がまったくぶれない所が、
いまだに私が好きで読み続けている理由の一つかもしれません。