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エルフを助け、ドワーフを助け、銃を用意した。
その前準備が全部生かされた話で、いままでのストーリーで集めたエッセンスが結実し、
大きな成果をあげた瞬間で、非常に面白かったです。
あと、なかなか興味深かったのがサンジェルマン伯と、
信長がけっこう相性がよかったところでしょうか。
生前、伯のようなタイプとの付き合いがあったからか、
その扱い方や動向を掴んでいるという部分や、
同じ一癖二癖ある知恵者として意気投合っぷりが見ていて楽しかったです。
ただ、これ、伯の側のビジョンだと、信長の事を、
「あー、この手のタイプは〜」って分析してそうですよね(笑)。
そして二人を評して出てきた一言。
「頭がいいけど精神が子供のままってタチわるいわネ」
ってところで、なるほどと思い爆笑してしまいました。


非常に面白かった反面、廃棄物の怖さが薄れてしまったなぁと。
廃棄物と漂流者の違いって、世界的に認知されているのが漂流者で、
晴明の態度を見る限り、廃棄物は現れたら排斥されているようです。
最も大きい差が、廃棄物は生前持っていなかったであろう異能を所持している。
ジャンヌは火刑に処されたから炎を操り、アナスタシアは氷を操る。
これらは生前持ち合わせていなかった能力でしょう。
ラスプーチンの魔術辺りは怪しいですが(笑)。


すごい個人的な意見なのですが、土方vs豊久って期待してたんですよね。
もっと、豊久が防戦一方になるくらいだと。スタンド新撰組もいるわけですし。
あと、感想なのでめっちゃ個人的なたわごとを書きますが、
新撰組って司馬先生やら多くの作家さんが書いている訳です。
新撰組知ってる人に聞けば、10人が10人違う印象いうと思います。
ちなみに私は新撰組は特に思い入れありません。修羅の刻の土方が好きなだけで(笑)。
で、私の中の土方のイメージって、修羅の刻の鬼神・土方なんですよね。
無空波撃たれてもなお崩れ落ちず、戦い続けた一個の鬼。
これ、感想ですらない感情なんですが、もっと土方圧倒的でも良かったと思ってます。
実際の所、戦略的には黒王軍が目的を達していて勝っていて、
豊久は局地戦闘で時間稼ぎをしただけで、ノブは政庁を占拠しに来た黒王軍を吹っ飛ばして、
度肝を抜いていて、状況は勝ってますが黒王軍のテンション下がりまくりです。
明智のミッチーが黒王軍に来ても、なんかカルネアデスの北壁を落とした頃の怖さがない。


ただ、私が考える程度の辺りは、平野先生は既に織り込み済みであるでしょうから、
これからのオルテ帝国各方面軍との戦いや、グ=ビンネンとの交渉など、
その辺りで黒王軍の強大さ、廃棄物の恐ろしさを再認識させてくれるんじゃないかと思っています。