ハードでした(笑)。いや、分厚さもそうですが、中身もです。これまで、本編中であんまり人が死んでこなかったせいか(誰かが死んでから捜査していたことが多かったため)、かなり度肝を抜かれました。確かに、特別編っぽいスケールの大きいストーリーです。しかし、そのせいか冒頭で葵にニキータの二人が、潜入先の屋敷からあっさりと放逐…いや、逐電せざるをえない状況におかれてしまったので、いつもの新しい屋敷でのちくちくとした精神的攻防がなかったのが、今回は残念でした。米原老人も殺害されてしまうという、なかなかにヘヴィな展開だったので、サプライズの連続でした。先生もあとがきで言っておられるように、もうちょっと桜木を、融通は利かないけどある程度正しい秩序の信奉者にしてしまった方が、葵との対立が面白かったかもしれませんね。まあ、実際は海堂警視総監のパンチが炸裂したわけですが(笑)。このシリーズは、メイドという古いけれど新しいニーズと、刑事(デカ)という古くから存在するキャラクター性をうまく融合させている所に、妙があるわけでその点さえ抑えていれば、毎回楽しませてもらえそうです(笑)。というか、すでに6巻までの予定が立っているとは思っていませんでしたけど。