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もう、これほどのコミカライズは現れないのではないか。
そう、私に盲目的に思わせてしまうほどの完成度でした。
以前、月姫のコミックスは、現在プレイすることができない本編を、
小林少年先生の原作への愛と、その深い造詣により、
精緻に描いた傑作でした。
木谷椎先生のこのエターナルソングは、それに匹敵する、
あるいは凌駕する完成度で、視覚的な迫力、
流れ込んでくる感情と、想いの質感と量では、
ある意味原作すら超えているのではないかと、勝手に思っています。


しかし、なんともメリヒムの小さい(笑)。
原作読んでいる当時から思ってましたけど、
なんでこいつにカルメルさん惚れるかなぁと。
イルヤンカ、モレク達に人格的な成熟度では劣りますし、
アシズ様、アラストールとは比較することすらばかばかしい限りで。
折角なので、なにかカルメルさんが惚れてもおかしくないくらい、
器の大きさを示すようなエピソード欲しかったなーと思いました。


まぁ、それは置いておいて、やはりラストの顕現したアラストールと、
アシズ様の戦いが、画面の迫力が凄まじく読んでいて、
ページを捲る手の遅さにイライラするくらい、
これほど熱中してコミックスを読んだのは、いつ以来だったのかと、
自分で記憶をたどれないほどでした。
愛する女を失った二人の男(ガチムチ)が、
最後、炎の中で全裸で殴り合うんですよ。
二人とも、愛した女の生き様を、死に様を抱いて、
その愛の為に、その愛に準じるために全てを賭して。
戦っているけれど、お互いに互いのことは見えてないんじゃないでしょうか。
ぶっちゃけると、二人は世界の事なんてどうでもいい。
アシズ様も、アラストールも、愛した唯一人の女の為に、
その為だけに世界を曲げてでも貫かなければならない何かがある。



たまらん……(*´д`*)ハァハァ





間違ってるのか、正しいのか。善であるのか、悪であるのか。
そんなことはどうでもいいのです。
ただ、そこに、最後まで守らないといけない意志がある。
貫かなければならない、約束がある。
その為に、あるいは友となれたのではないかと思えるほど、
鏡で映した半身であるかのような、アシズ様とアラストールは戦う。
もう、このラストを見ることが出来ただけで、
満足してしまいました。
秘蔵のバーボン空けて、二人の男の意志に乾杯したい。
そう、思える、素晴らしいラストでした。


なんか、灼眼のシャナ本編のラストのすっごい迷惑な痴話げんかに対して、
文句を百科事典くらいの分量で言ってやりたいのですが、
二人の漢の戦いと、一人の漢の死に対して、
それはあまりにも無粋なので、そろそろ筆を置くとしましょう。


最後に、シャナX巻が好きな方は、是非購入されることをお勧めします。
だってほら、これほどのラノベのコミカライズなんて、
もう、お目にかかれるか分からないんだよ?